2019、Ballon d'or #35
お久しぶりです。
今回は、先日のUEFA年間最優秀選手の授賞式を受け、そして予備校で唯一話しかけてくる方にもこの事について話題を振られたので、Ballon d'orの受賞について少し。
とりあえず、先日の受賞者ファンダイクに祝福を。おめでとう。
2年前まで、賛否の声はありながらも、たった2人の人間が10年間、個人賞としては今最も名誉あるBallon d'orの座に居座り続け、その席を決して空けようとはしませんでした。
こんな時代に遭遇することはもう2度とないでしょう。
話題を2019に戻しましょう。
筆者の掲げる受賞者候補は3名、ファンダイク、メッシ、そしてアリソンです。
最後が、サプライズと受け取られるかもしれません。しかし、この中から受賞者を1人選べと言われれば、迷いなくアリソンを選びます。
筆者の選出のポイントは単純です。
“タイトルをもたらす活躍をしたのは誰か”
メッシは、リーガを。
ダイクは、CLを。
アリソンは、CLとコッパアメリカを。
タイトル数という観点からも、アリソンは2人に勝ります。
そして、現代フットボールにおけるCLというタイトルの価値は計り知れないほどに大きくなっているように思えます。2014〜2018年までの5年間、例外なく5回ともその年のCLを制覇したチームの選手から選ばれているのです。
このことを鑑みると、メッシの選出は難しいでしょう。視点を変えて、「2019、最も圧倒されたプレイヤーは?」と問われれば筆者も彼を挙げるでしょうが…
では、何故ダイクではなくアリソンなのか。
長年トロフィーを掲げることから遠のいていたリヴァプールが、それを可能足らしめた最後のピースだったから。ということに終着するでしょう。
たしかに、ユルゲン・クロップのチームはファンダイクを2018年の冬に加えたことで、大きな課題であった守備の改善に成功します。そして同年、CL決勝に進出と躍進しますが、GKカリウスの2つのミスで、レアルマドリーに3連覇を許し、結局は無冠に終わります。
そこで新たにチームに加えられたのがアリソンです。彼は、それまでGKがボールを持つだけでスタジアム全体に流れていた緊張感を安心感へと変えてみせ、更なる守備改善をもたらし、昨年、後一歩届かなかったタイトルを手にしました。
ダイクとアリソン、移籍時期が逆だったら評価も逆転していたのかもしれません。
しかし、よりタイトルをもたらしたように映ったのは後者であった。それだけのことです。
年末が楽しみですね。
(著:井上小百合)