SLANG #15
昼、観劇してきた。
さゆが再三言ってた「言葉の力の不思議さ」
その意味を噛み締めることになった。
夢の世界と現実の世界、それぞれの役者がそれぞれの世界で全く違う演技を見せてくれる。その表現力の凄さに圧倒された。魅せられた。という言葉の方が適しているかもしれない。
井上小百合の美貌さのあまり、舞台内容をあまり覚えていないことに関しては、今は触れないでおきたい。
あれだけ美しい人間と同じ空間に2時間もの間居座らされて、
「愛している」「結婚しよう」
そう叫ぶことは許されていないのである。私の目には、些か激しい矛盾と映る。
しかし僕にだって理性がある。
僕の尊敬する人間の1人は、理性をこう、定義する。
「理性、それは人間だけが持つ判断能力」
そう。僕は自分自身に備わる判断能力によって、井上小百合への求愛求婚を阻止したのである。
そして、16時24分。舞台終了の時刻をもって、私の人間が証明された【Q.E.D】